F360モデナと人気を二分する、フェラーリ界に革命をもたらし名声を得たF355について、Rossoなどに連載中にしてオーナーの清水草一氏が独自の視点で批評と笑いをまぜつつ(こちらがメインか?)書き綴っている。
オーナーとしてF355について褒めちぎる一方、雑誌やインプレでまず見ることはないフェラーリ批判が面白い。
「乗りやす過ぎてつまらない」
「地上唯一にして孤高にして至宝の自動車芸術」であるフェラーリF355を堂々と批判するという神をも恐れぬ著者の勇気(蛮勇か?)に拍手を送りたい。下手をすれば自動車評論家として飯の食い上げである。
私の個人的意見では、清水草一氏と同氏のフェラーリ購入先の町田のフェラーリ屋の店長とのやりとりが気に入っている。
前著の「そのフェラーリください!」より後に書かれたもので、「そのフェラ~」を入門編として読んだ後にこれを読めば、少しだけ深く少しだけ広く(笑)フェラ-リの世界について知ることが出来るだろう。
一気に楽しく笑わせながら読ませきる文体は流石の一言である。清水草一氏の著書を読むといつも、もしかしたらフェラーリが買えてしまいそうな、いや、買うんだ!という気持ちにさせられる。相も変わらず危険だ。
「そのフェラ~」にもカスタマーレビューで評価させて頂いたが、私の評価は相当厳しいかもしれない。フェラーリ好きの方は必読である。この本を買って後悔はしない。
「そのフェラ~」もセットで購入されることをお勧めする。
こんなモンを持っている奴はどんな人間なんだ?そんな奴どっか変なんじゃないか?そんなごく普通の疑問に見事に答えてくれる一冊である。
著名人から市井の人々まで、フェラーリという「宝石」を手にした人々の思いやエピソードという素材を、あの清水草一が軽妙洒脱な文体で生き生きとさばいている。
その筆力に魅せらるまま、とにかく楽しく、つくづく笑えて、読み終えると、嬉しくなってしまう。まるでアクション映画を見た後のような爽快感が味わえると言っても言い過ぎではないであろう。
フェラーリを持っている人も、欲しい人も、関係無い人も、みんな楽しめる明るく前向きで読みやすい本である。
一方、通な方におかれては、モデナに乗り換えた作者の「F355へのオマージュ」として是非ご精読いただきたい。